おひさしぶりです。妻の介護と仕事の両立を目指す、64歳のシニアライターyasuです。
シニア世代の皆さんは、老後の生活に向けて不安はありますか?私は、定年を迎える半年前に介護離職したため、退職時は退職金頼みの生活でした。しかし、その退職金も住宅や車のローン返済や介護用の福祉器具、用品の購入などでみるみる減っていきました。
このままでは退職金の底がつき、生活が成り立たないと思い、60歳で年金の繰上げ受給を申請し、少しでも生活基盤を安定させようと四苦八苦していました。それでも、貯蓄は少しずつ減っていきます。そのような状況では、老後の生活に不安しかないため、新たな仕事を探し始めました。
この記事では、老後の生活は退職金と年金で大丈夫という自分の考えの甘さに気づき、新たな仕事を再スタートさせた経験を紹介します。これからの生活に不安があるシニア世代の方に少しでも参考になれば幸いです。
シニアの働き方が変わってきた
近年、シニアの働き方が変わってきています。
少子高齢化や年金の不安が、定年後のシニアの働き方を変え、注目されています。以前は、長年勤めた会社で再雇用という働き方が当たり前だった時代から自分の個性やライフスタイルに合わせた仕事もシニアの働き方に加わったのです。
こてごは、シニアの働き方が変わってきた理由を3つ紹介します。
シニアの働き方が変わってきた理由3つ
はじめに、私なりに考えたシニアの働き方が変わってきた理由を3つ紹介します。
- 物価高騰により定年後の生活に不安がある
- シニアの健康寿命が延びている
- 働き方が多様化している
それぞれ紹介していきますね。
物価高騰により定年後の生活に不安がある
物価高騰により定年後の生活に不安があるのが、シニアの働き方を変えた一番の理由です。
近年、生活にかかせない食品や生活必需品などの物価高騰が止まりません。また年金受給年齢も上がり、65歳受給で安心という時代は終わりつつあります。
定年後は年金で悠々自適の老後生活は、夢物語になりそうな勢いで、収入に比べ支出が上回り、老後2,000万円問題から3,000万円、5,000万円ともいわれる時代です。一般の会社員では、そのような大金を貯蓄して老後に臨む人は少数派です。
物価高騰の波の勢いが止まらないため、定年後の生活にますます不安が残っていきます。
シニアの健康寿命が延びている
シニアの健康寿命が延びているのも一つの理由です。
2024年4月のデータでは、日本人の健康寿命は全国平均で74.11歳(男性72.64歳、女性75.58歳)、平均寿命は84.5歳です。健康で過ごせるシニアの年齢が伸びているため、定年後も働きたいと考えているシニア世代が多くなっています。
私の父の世代のように、定年退職後は退職金と年金で質素な生活に満足するのではなく、元気な間に働き、少しでも社会とつながりを持とうというシニア世代が増えているのでしょう。
シニアの健康寿命が延びているのも働き方を変えた理由の一つです。
働き方が多様化している
働き方が多様化し、雇用スタイルなど選択肢の自由度が増えているのも理由の一つです。
私が50代後半だった10年ほど前までは、勤めている会社で再雇用または関連会社の嘱託で採用されて働くスタイルが一般的でした。しかし、近年の少子高齢化で働き手不足のため、シニアでも長期的な雇用が増えています。
私が勤めていた職場でも、定年で退職する人はほぼ見かけず、再雇用または職場を変えて嘱託で働く方が大多数を占めていました。その理由も「家にいても暇」「自分の稼ぎで趣味に使う」といった『老けないために働く』というものです。
他にも、働いていた仕事と全く違う職種も経験したい人もいるなど、働き方の多様化が進んでいるのも事実です。
シニアの代表的な働き方5選
シニアの働き方に変化がある中で、実際にはどのような働き方があるのでしょうか。
ここでは、シニアの代表的な働き方を5つ紹介します。
- 勤めている会社で再雇用または関連会社で嘱託として働く
- 新たに仕事を見つけて再就職する
- パート・アルバイトで働く
- フリーランスとして働く
- 起業する
私が実際に見聞きした内容をまとめました。
勤めている会社で再雇用または関連会社で嘱託として働く
シニアの一般的で代表的な働き方は、勤めている会社で再雇用または関連会社で嘱託として働くことでしょう。
今まで培ったきたノウハウやスキルを生かした仕事を続けることができれば、新たなチャレンジや人間関係の構築も必要なく、ストレスなく働けます。また、会社としても、キャリアを生かした人材育成要員としても重宝されます。
新入社員になっても転職活動を続ける若い方が増えている現状では、シニア世代の力はこれからも必要です。
シニアにとっては、勤めている会社で再雇用または関連会社の嘱託として働くことが、キャリアを失うことなく無理しない働き方といえるでしょう。
新たに仕事を見つけて再就職する
新たに仕事を見つけて正社員として再就職することも、シニア世代が選ぶ働き方です。
転職エージェントなどを利用し、シニアの経験やスキルを活かせる仕事を見つけ、正社員として再就職し、新たにチャレンジしていく働き方です。前職の経験を生かせる仕事や前職とはまったく異なる業種の仕事を探すなど、働き方は様々です。
しかし、正社員として働くためには、相当なスキルや長い経験、実績が必要です。自分をアピールできる特技や実務資格がないと正社員の道は厳しいでしょう。
新たに仕事を見つけて正社員として再就職する働き方は、やりがいがあり魅力のある働き方ですが、相応の実績やスキルが必要です。
パート・アルバイトで働く
パートやアルバイトいう働き方も増えてきました。
求人広告やハローワークでよく見かける「年齢・経験不問」という仕事の募集案内です。フルタイムで働くことは難しいが、シフト制で短時間働き、収入を得る方法です。
特に求人件数が多いのが、介護や送迎車の運転、警備、マンションや施設の管理人でした。自分のライフスタイルに合った働き方を選べます。
パートやアルバイトのシフト制でスキマ時間を利用した働き方も増えているようです。
フリーランスとして働く
フリーランスの働き方も増えてきました。
フリーランスには、ライターや講師、コンサルティングといったクライアントからの依頼を受けて仕事をするため、自分の適性や技能を生かして働けます。クライアントワークと呼ばれる働き方が中心で、発注者(クライアント)から依頼を受け、代行して仕事を行うというものです。
質の良い仕事を行い、クライアントから信頼が得られれば、継続した仕事を受けられる、単価がアップするなど高収入も期待できる働き方です。
フリーランスは、時間に縛られず、ある程度の裁量が期待できるなど、自由に働きたいシニア向けの働き方です。
起業する
専門的な資格やノウハウを持つシニアの中には、起業して働くシニアもいます。
弁護士や司法書士、行政書士、税理士といった士業は、専門的な知識を持ち、法的にも認められた専門家です。それぞれの資格を生かし、独立・起業するという働き方です。また、新たなビジネスにチャレンジするために起業するシニアもいます。
独立すれば、会社に縛られない働き方ができ、自分の裁量で仕事を進められます。
専門的な知識を持つ人や新たなビジネスチャンスをつかみたいシニアの中には、独立・起業して働いている方もいます。
私の働き方体験談
ここでは、私が退職してからの働き方を考え、行動した体験談を紹介します。
妻が倒れるまでは、定年退職してからも再雇用で少しは働こうという考えがありました。前職では、本人が希望する限り再雇用で働ける環境が整っていました。しかし介護が必要な状況に陥ると、すべての環境は一変します。
妻の介護が始まると、外で働く選択肢はなくなります。退職金は、住宅や自動車ローン、子どもたちの学資ローンの返済にすべて回し、介護費用も考えなくてはなりません。まさに家計は火の車です。
そこで、まずは年金の繰上げ受給で生活費を賄い、その後は在宅でできる仕事を探し始め、ライターというフリーランスの仕事があることを知りました。さらにフリーランスの不安定な収入を補うべく、前職の関連会社にもパートとして再就職しました。
webライター
退職してから始めた仕事は、webライターです。
クラウドソーシングサイトに登録し、さまざまな募集文に対して自分の経験やスキルを活かせる案件に応募し、採用されれば記事を作成、収入を得るというシステムです。
しかし、ライター活動当初は、実績のないシニアにとっては採用されない日々が続き、採用されても文字単価0.1円という低単価案件です。安定した収入にはつながらず、妻の介護まで悪影響を及ぼす結果となりました。
介護とwebライターというフリーランスの仕事の両立は困難を極めましたが、作業時間を工夫するなど諦めず続ければ、少しずつ収入が安定していきます。
前職の関連会社に再就職
webライターを続けて1年が経ち、貯金が減る現状に悩み、前職の関連会社で再就職し、生活基盤を安定させることに決めました。
以前から仕事でお世話になった関連会社の人に直接電話をかけ、パートでも雇ってほしいという依頼をし、約2か月後に本採用が決まりました。職場が変わらず経験が生かせる仕事ができるのは、私にとってラッキーでした。
パートでも、安定した収入が得られれば、心身共に落ち着きます。
前職の関連会社に再就職できたことで、本業+webライターの2本柱の収入になり、パート期間が終わっても、webライターでの働き方ができ、心に少しは余裕ができます。
シニアが働く際の注意点
ここでは、シニアが働く際の注意点について、4つ紹介させてください。
- 無理せず、体調に合わせた働き方を選んでください
- 年金はあてにせず、本業や副業での収入を基本としてください
- 新しいスキルを学び、何事にもチャレンジする精神を忘れないでください
- 家族との時間や趣味の時間と仕事のバランスを大切にしてください
働き過ぎて体調を崩し、家族の時間や趣味を楽しむことができなければ、何のために働いているのか分かりません。自分のライフスタイルに合わせた働き方を考え、何事にも興味を持ち、スキルアップを忘れないことがシニア世代を楽しむコツですよ。
まとめ
60代からのシニアの働き方について、一例ですが紹介しました。
私の経験から紹介した働き方ですが、ご家庭の事情によって働き方は変わります。一番気をつけたいことは、健康を維持しながら働くが基本ですから、シニアの人は無理は禁物です。
本業とともに副業を見つけながら、新しいスキルを身につけ、チャレンジしていく。そして自分の時間も大切にする。
シニアだからこそできる、新たな働き方を探していきましょう。
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