高齢化が進む中、親や配偶者の介護をしながら働くことは決して珍しくなくなりました。特に60代のシニア層では「定年後に親や配偶者の介護が始まった」「退職後も収入を得るために働き始めた」という声も多く聞かれます。
私もその一人です。定年後に再就職先で働きながら、Webライターとして副業も始め、現在は自分のブログを始めました。そして日々の生活では、息子とともに要介護の妻のサポートも続けています。
本記事では、私の実体験をもとに、「介護と本業・副業をどうやって両立しているのか」をお話しします。
私と同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。
私の働き方(1)…Webライター
私は定年を迎える1年前に妻が倒れ、介護が必要になったため、介護離職しました。
しかし、退職はしたものの、収入が途絶えると老後の生活がどうしても不安になります。特に介護中の妻の生活をどう支えるかが課題でした。
介護生活に慣れ始めた退職1年後、退職金と繰上げ受給した年金では生活が成り立たないことが分かり、在宅ワークで検索、ヒットしたのがWebライターという仕事です。
しかし、現在ライター歴は4年になろうとしていますが、最高月収が4万、最低月収1千円と安定した収入にはなりませんでした。
私の働き方(2)…再就職+Webライター+ブログ運営
介護をしながらのWebライターという仕事では、安定した収入が得られないため、前職の関連会社に自ら再就職を頼み、週2日で働かせていただくことになりました。
以前の職歴が活かせるありがたい環境です。しかも、本業として安定した収入の目途がついたのが、一番の安心感につながっています。
副業のWebライターでは継続した案件を受けてはいませんが、単発的な案件を受けることもあり、少しでも続けられている状況です。
また、自分の経験を整理する目的で、シニア向けブログの運営も始めました。まだ10記事しか投稿していませんが、収益化を目指し、日々勉強中です。
介護と仕事を両立するうえでの5つの壁

介護と仕事を両立すべく試行錯誤していくなかで、いくつかの壁にぶつかりました。
介護と仕事の両立に立ちはだかる壁は、次の5つでした。
- 時間的な余裕がない…介護の時間が予測できず、予定を立てにくい
- 体力が持たない…年齢的にも1日フル稼働は難しく、疲労が溜まりやすくなる
- 副業のスケジュール管理が難しい…納期があるWebライティングは介護の急変で✕になることも
- 自分の時間が持てない…息抜きの時間がなく、ストレスが溜まりやすくなる
- 周囲に介護を話しにくい…家族だけで介護を抱え込みやすい
この5つの壁を乗り越えるために、仕事のやり方を工夫する必要性に迫られました。
介護と仕事の両立のため、心がけた7つの工夫

5つの壁を乗り越えないと、介護と仕事が両立できない。そう考え、私が心がけたのは7つの工夫です。
介護と仕事の両立のため、心がけた7つの工夫は次のとおり。
- 本業をメインに、副業に注力しすぎない
- スキマ時間を有効活用する
- ブログを「日記+情報発信」に切り替える
- 早朝に自分の時間を確保する
- 家族とタスクを共有する
- 職場に介護の理解を得ておく
- 仕事専用の卓上カレンダーを作成、活用する
本業をメインに、副業に注力しすぎない
本業をメインに、副業に注力しないように心掛けています。
安定した収入を得られる本業は決して疎かにできません。Webライターはあくまで副業で、絶対的な収入源ではないことを理解し、無理せず続けることが大切です。
案件を受けたとしても、月2本といった無理のない範囲で続けるよう、量ではなく質の向上を目指した記事作成に取り組んでいます。
スキマ時間を有効活用する
介護中や仕事の休憩時間のスキマ時間を有効活用するように心掛けています。
Webライターの仕事を片手間に行うと、自分なりの良質な記事が作成できず、案件が途絶える可能性があり、副業としての収入が期待できません。
ポモドーロタイマーを活用するなど、集中して執筆または下書きすることで、副業の負担を少しでも減らすことが大切です。
ブログを「日記+情報発信」に切り替える
ブログを「日記+情報発信」に切り替え、予備の副業として活動しています。
介護や仕事、日々の暮らしの中で、シニアの方に少しでも役立つ情報があれば、日記の延長線上で発信するよう更新を続けています。
完璧を目指さず、シニアの方に共感していただけるようなブログにするよう、日々模索中です。
早朝に自分の時間を確保する
早朝に自分の時間や仕事の時間を確保することにも気をつけています。
早朝の時間帯は集中力があり、今日の予定を再確認したり、記事作成など書く時間にあてると、1日のリズムが整います。
習慣化するのは大変ですが、身につけば、生活するうえで重要な位置づけになるでしょう。
家族とタスクを共有する
家族とタスクを共有することで、お互いの役割分担が明確になります。
私は息子と介護をしていますが、介護や仕事の情報を共有することは、介護生活では重要な位置づけです。特に、本業や副業が重なると時間や心に余裕がなくなるため、介護にも支障がでてきます。
家族で助け合う介護が、仕事と両立させるカギになります。
職場に介護の理解を得ておく
職場に介護の理解を得ておくことも、仕事との両立には必要です。
信頼できる上司や同僚に介護の状況を伝えておくだけで、サポートも期待でき、安心して仕事を続けられます。
特に男性の方はネガティブな介護の話をするのを遠慮しがちですが、家庭の事情を知ってもらうことで仕事の調整も可能になるため、伝えることに抵抗を持たないようにしています。
仕事専用の卓上カレンダーを作成、活用する
仕事専用の卓上カレンダーを作成し、活用することが7つ目の工夫です。
以前はノートやタスク管理アプリを活用していた時期もありましたが、ノートやパソコンを開く時間を省略するため、重要な仕事は卓上カレンダーにメモし、一目瞭然にしています。
また、仕事とは別に介護用のカレンダーを別に作成し、使い分けするなど、情報を整理するように心掛けています。
介護と仕事の両立を目指して見えてきたメリットと課題

介護と仕事の両立は決して楽ではありませんが、両立を目指して見えてきたメリットがありました。
また、得られたメリットの他に、これからの課題も見つかりました。
メリット
メリットは次の3つ。
- 社会とのつながりが保て、孤立感がなくなる
- 本業で安定した収入、副業で多少なりとも収入が得られる
- 記事を書くことで心が整理され、前向きになれる
課題
課題も4つ見つかりました。
- 介護の状況しだいですべての予定が崩れるリスクがある
- 本業はいつまでも続けられないという不安が残る
- 本業が終わるまでは副業収入を安定させないと介護生活の負担が増える
- 体に負担をかけすぎると健康を害するリスクが増える
シニア世代で大切なことは、「完璧を目指さず、できる範囲で少しずつ継続して行う」だと実感しています。
同じ境遇の方に伝えたいこと

同じ境遇の方に伝えたいことがあります。
もし、同じ境遇の方で「介護と仕事の両立なんて無理」と思っているなら、私は「やり方しだいで何とかなる、一度もトライせずに諦めるの?」と伝えたいです。
何も全部を100%の力でやる必要はありません。70%の力でも継続できれば、それがベストな選択です。
自分の体調と気持ちを最優先に、できることから少しずつでも始めてみれば、道は開けると信じています。
まとめ
シニアが介護をしながら働くのは、ハードルが高く、立ちはだかる壁も克服することも必要になるでしょう。しかし、「本業+副業+ブログ」という複数の選択肢を持つことで、精神的な余裕と生きがいを持つことができます。
大切なのは、生きがいを持ち、無理せず続けられる「自分なりのバランスを保つ」ことが大切です。
私自身もまだ模索中ですが、この記事を今の生活を振り返るきっかけとし、同じ悩みを抱える誰かの助けになれば嬉しいです。
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