ライター歴3年9か月、妻の介護歴5年のシニアライターyasuです。
前回は、ライター初心者の私が見た現実と自分なりに考えた対策をお伝えしました。しかし、安定した受注にはつながらず、またも悪戦苦闘する日々が待ち受けました。
「このままではダメだ。何とか定期的に仕事が来るようにしなければ…」と焦る気持ちで一杯です。そのような状況では、得意なジャンルの案件ばかり探しても、提案できる数にも限界があります。そのような中で悪質な案件に応募し、もう少しのところで契約しそうになった経験がありました。
この記事では、シニアの初心者ライターが安易に見境なく案件に応募した結果、悪質な案件に騙されそうになった経験を紹介します。私の経験が悪質な案件を回避するための一助になれば幸いです。
安定して継続した受注につながらない日々
単発的に案件は受注できても、安定して継続した受注につながらない日々が続きました。
毎日、クラウドソーシングサイトを仕事を探し、経験や興味のある案件を見つけては、応募する日々が続きました。提案文の内容を濃くしながら誤字脱字をチェックし、案件ごとに内容を変えて応募していましたが、まったく受注につながりません。
いくら頑張っても、せいぜい5件の提案文を書くのが精一杯です。「1記事を執筆、納品する方が楽だなぁ」とため息ばかりです。そのような中で見つけた仕事が「未経験者歓迎、丁寧に指導します」という案件でした。
とにかく応募してみようと提案した所、面談結果で採用というものでした。その中身はというと、「新しいサイトを構築するためにさまざまなジャンルの記事を書く。面談で双方が合意すれば採用」というもので、最低文字単価1.5円、最大文字単価10円という信じられない好条件でした。しかし、迷わず応募したのが間違いでした。
好条件の案件で浮かれていた私
文字単価1.5円という好条件に浮かれていた私は、面談の日を待ち望んでいました。面談当日、対応したクライアントは若い女性が担当でした。
自分の名前や経歴や職歴、得意なジャンルなどを聞かれ、「興味があれば採用させていただきます」という相手の回答。喜びもつかの間、次に出た言葉は、「ただし、契約には事前に3万3千円の振り込みが必要です。3万3千円の振り込みを確認した後、案件を紹介します。3万3円以上の仕事は必ず保障します。」一瞬「???」です。
面談の終わり際に「一旦、考えさせてください。御社の会社名を教えてください」と保留。ネットで会社を検索すると、簡単なサイトが見つかったのですが、今まで実績がないようでした。「これは詐欺かも?」と判断し、お断りのメールを送信し、この案件は終わりました。
応募文を改めて確認すると、募集人数20名に対し、応募者が50名ほどあり、すべて面談しているようでした。その中でも、もう10名ほどの人が契約していました。実績がほぼない初心者でも高単価な案件と事前にお金の振り込みを要求する案件は、悪質な詐欺案件です。
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悪質な案件は意外に多い
ライターを募集している案件は多いものの、よく募集文を見てみると、悪質な案件は意外に多いようでした。
初心者ライターでも文字単価0.5円~1.0円を狙うべきというベテランライターさんの記事を見かけたことがありますが、実績の少ないライターが採用される確率は非常に少ないです。そのような案件の中でも、特に気をつけたい案件が4つあります。
- テストライティングが10円~50円といった超低単価の案件
- 高単価案件で初心者OKの案件
- 丁寧なFBを受けられる記事作成の案件
- 契約後に契約内容と異なる要求をする案件
応募する前に十分気をつけたい案件です。
テストライティングの報酬がない、または10円~50円といった超低単価の案件
テストライティングの報酬がない、または10円~50円といった低単価の案件は注意が必要です。
テストライティングに合格後、文字単価1.0円で本採用と書かれてはいるものの、ワーカーの評価を見ると不採用になった人を多く見かけます。このようなクライアントの採用率を見ると、本当に採用する気があるのか疑問です。
実績が少ないライターは、テストライティングを受けなければ採用されないという意識が強いため、単価の低い案件でも契約するのは仕方ないかもしれません。しかし、採用する確率が低く、不合格の理由を知らせないのクライアントは、初めから採用する気がないようです。
テストライティングの報酬があまりに低い案件は、安く大量に記事してほしいクライアントが多いため、気をつけましょう。
高単価で初心者、未経験者OKの案件
高単価で初心者OKの案件も注意が必要です。
この案件は募集人数が多く、また応募するライターも相当数います。しかし、クライアントの評価がなく、募集実績が多いにもかかわらず採用率が低いまたは採用ゼロといった案件では、いくら応募して採用してもらえない可能性が高い傾向にあります。
高単価で初心者や未経験者を募り、ライターの提案文を大量に集め、良さそうな提案文を見つければ、他の案件で自分の提案文に採用するという考えがあります。
高単価で初心者、未経験者OKの案件は、提案文をコピーして使用される可能性が高く、採用される確率がゼロに近い案件です。
丁寧なFBを受けながら、報酬が発生する案件
丁寧なFBを受けながら記事を作成し、報酬が発生する案件も悪質で詐欺に近い案件です。
私が経験した案件には、丁寧なFBを受けながら記事作成ができるという内容のもので、提案文が通り、無事採用されました。しかし、契約の前に送られてきたメッセージには、lineへの誘導と添削が受けられる有料の通信教育の案内でした。
契約前にお断りをしたため、被害を受けずに済みましたが、知らずに契約していれば、後でトラブルになる案件です。
丁寧なFBを受けられ、しかも記事作成すれば報酬がもらえるといった内容で募集している案件は、別の手段で直接やり取りを強要される案件です。
契約後に契約内容と異なる要求をする案件
契約後に契約内容と異なる要求をする案件も悪質な案件です。
募集内容に記載がなく、簡単なマニュアルにもかかわらず、契約後に記載内容以外の仕事を要求してくる案件です。検索記事は上位20記事にする、画像を選定して貼り付ける、コピペチェックは35%以下といった契約内容にない仕事を要求してくることもあります。
特にひどいのが、5記事セットで報酬が発生する、納期に間に合わない場合は報酬は発生しないなど、クライアントの要求を突き付けられることもあります。
契約後に契約内容と異なる要求をする案件があるので、見極めることが大切です。
悪質な案件の対応策
初心者ライターだけに限りませんが、クラウドソーシングに登録されている案件の中で、悪質と思われる案件を避けるためのクライアントの見極め方4つを紹介します。これは、あくまで私の経験からの避けたいクライアントの見極め方です。
提案を避けたいクライアントとしては次の5つです。
- 評価が4.5未満
- 募集実績が多いわりにプロジェクト完了率がゼロまたは20%以下
- 募集する人数が5人以上
- 契約した人数が10人以上
- 面談で安心させて契約をせまる案件
認定クライアントや本人確認済みのクライアントが条件を明確に提示しているなど信頼性の高い案件で募集している傾向が高いです。
ただし、契約前に不安が残る案件では、その場は一旦保留にし、クラウドソーシングサイト上で先輩ライターに相談するのも悪質な案件を避ける1つの方法です。迷った状態で契約すれば、トラブルに巻き込まれる可能性が高まりますので、注意してください。
まとめ
私が3年9か月のライター経験で遭遇した悪質または詐欺まがいの案件を紹介しました。
今でも悪質で詐欺まがいな案件は、クラウドソーシングで見かけます。クラウドソーシングは、フリーランスのライターにとっては報酬が発生する可能性の高い働き方ですが、悪質な案件を見極めないと、思わぬトラブルに巻き込まれます。
特にお互い顔を合わせない仕事も多いため、発注者と受注者の信頼関係を築くことが大切です。実績が少ないライターは、提案数ばかりに気を取られ、目先の報酬だけを追いかけてしまう傾向があります。
まずは信頼できるクライアントを探し、熱意のある提案文を作成し応募する、この基本を忘れないことが大切です。
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